翻訳できない世界のことば
こんにちは、東京の水玉オリジナルバッグブランド「Saori Mochizuki(サオリモチヅキ)」のデザイナー望月沙織です。
先日、言語に関して面白い話を聞きました。
アイヌ語、動物捌きまくってるから解剖学用語がやたら発達してるんだけど「腺組織」nin という語を見つけてふえぇになった
— すきえんてぃあ@書け (@cicada3301_kig) October 15, 2021
この方は、同時にアイヌ語のことを
内臓の解像度がやたら高い
とも表現していました。
逆に言うと、日本語の文化圏ではアイヌ文化ほど動物を捌いてこなかったので、このジャンルに関しては解像度が低くても(=単語が貧困でも)不自由しなかった、ということになります。
つまりは例えば、ある外国語の中に、日本語に簡単に置き換えることのできない言葉が存在しているとすると、それは日本文化の中にはあまり存在しない現象・状況・人間関係などを表していることになります。
そしてそれを拾い上げていくと、その外国文化の特徴的な所や、逆に日本文化の特異性が浮き彫りになります。
そんなこんなを考えていたら、ちょうどこんな本を見つけちゃいました。
エラ・フランシス・サンダース 著
前田まゆみ 訳
作者が英語圏の人なので、英語に関しては載っていないのが残念ですが、トナカイを使った独特の単語をもつフィンランド語など、いかにもその国らしい(でも英語を含めた外国語に訳そうと思うと、説明するために文字数が多くならざるを得ない)単語がいろいろ紹介されていて楽しいです。
ちなみに1つだけ、「これは日本語なら1単語で置き換えられるのでは?!」と思った言葉がありました。
それはすぐお隣、韓国のとある言葉でした。
日本と韓国は文化的にとても似ている所があるから、共通の概念も存在するけれど、そこに若干の隔たりがある英語に置き換えようとすると難しい、ということなのかもしれません。こういうのも興味深いポイントです(この辺については広く本の内容をネタバレしてもなんなので、今週末(10/23)配信予定のメールに書こうかと思います。ご興味ある方はこちらから、「最新情報希望」をご選択の上、メアドをご登録いただけたらと思います)。
なお、この本の中で紹介されていてわたくしが心惹かれた&笑ってしまった言葉は、
mångata(スウェーデン語)
tíma(アイスランド語)
Kummerspeck(ドイツ語)
poronkusema(フィンランド語)
iktsuarpok(原語表記できず/イヌイット語)
です。
気になった方は、グーグル先生に聞くなんて野暮なことはせず、ぜひ実際の本で確かめていただけたらな、と思います。
そして12月のわたくしの個展イベントもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
個展販売イベントの会場が決まりました<2021年12/18(土)〜19(日)@中目黒ギャラリー(NO DESIGN GALLERY)>
Saori Mochizuki 個展販売イベント
2021年12月18日(土)、19日(日)
開催時間:調整中(追って告知致します)
会場:中目黒ギャラリー(NO DESIGN GALLERY)
東京都目黒区上目黒1-7-2
(1LDKというセレクトショップの隣)
中目黒駅から徒歩3分
!!以前Accent Colorの実店舗があった場所とは異なります!!
東京「日常をドラマチックにする」バッグ
Saori Mochizuki
デザイナー 望月沙織