生まれて初めての編み物から大いに学びました
こんにちは、東京の水玉オリジナルバッグブランド「Saori Mochizuki(サオリモチヅキ)」のデザイナー望月沙織です。
久しぶりにものすごい葛藤を経験しました。
というのも、お子が「編み物をやりたい」と言い出し、やってはみたものの、あっという間に「もうやりたくない」と投げ出しかけまして。
もらった嬉しさを人にも渡そうとしたことに感動したが・・・
きっかけは、お子がとても仲良くしてもらっているクラスメイトからお誕生日会にお招きいただいたことでした。
当日は、どんなプレゼントを持って行こうか?と聞くと、自分が被っている帽子を指して
「こういう帽子が作りたい」
と言い出しました。
その帽子は、数年前、香港に住む友人のコニーが、お子にプレゼントとして編んでくれたニット帽でした。
一緒に北海道へスキー旅行へ行った際、持ってきてくれたのです。
(2019年冬、ルスツにて。被っているのがプレゼントの帽子です)
お子はそれが気に入っていて、今でも愛用しています。
そういう、自分が嬉しいと思ったことを、人にもやってあげたい、と思ったことにわたくしはいたく感動し、いいじゃん!いいじゃん!やろうやろう!となりました。
そこからは、早速事務所をあさって、昔使っていた編棒と毛糸玉を発掘。
薄ぼんやりしている編み方の記憶を、Youtubeで補填して、お子に編み方を教えてみました。
編み目が増えていく様子に「うわーー!」っと感動するお子。
でも、手のサイズがまだ小さすぎて、1人で糸を送っていくことが難しかったので、わたくしと二人羽織状態で編んでいくことにしました。
その時点で、お誕生日会まであと1ヶ月ほど。1日3段くらいずつ編んでいけば間に合うよ、と、最初の数日はノリノリで編んでいました。
しかし、そう簡単には仕上がらない&単調な作業がずーっと続いてしまうという編み物のネガティブ要素に絡め取られ、1週間もしないうちに
「まだやらないと、だめ…??」
と涙目になってしまいました。
サンクコストに戸惑う
わたくしのポリシーとしては、
「やる前に嫌だ、というのはナシ。試しに1度、一生懸命やってみて、やっぱり嫌だと思ったら、もうそれ以上無理する必要はナシ」
なので、泣く程嫌がっているものをゴリ押しして続けさせてもな、、、と思いました。
しかしその時点で、まだ完成には程遠いとはいえ、1/4ほど編み進めておりました。
当然、「これを、今までの努力を、無駄にするのか?!」という気持ちが働きます。
損切りのタイミングって、本当に難しすぎます。
何より、
「コニーからもらった感動をお友達にもあげたいと思った」
というストーリーに酔ってしまっている自分がいる・・・。
葛藤すること数日、、、わたくしが出した結論は、この際、お子のためとか、お友達のためとかは、もうどうでもいいけれど、わたくし自身は、このプロジェクトを何としてでもやり遂げて欲しいと思っている、ということでした。
なので、素直にそうお子に頼んでみようと思いました。
「あなたがもうやりたくないっていうのは、よくわかった。でもわたくしは続けて欲しいと思っている。だから、わたくしの頼みを引き受けると思って、続けて見てもらえないか??」
親と子という力関係を思えば、わたくしのしていることはある意味パワハラかもしれません。
当然(?)のことながら、お子は「わかった」と言ってくれました。
やる気は、やらないと出てこない
でもそこからはお子に何かのスイッチが入りました。
「1回、自分1人でやらせてみて」と単独で編んでみることに挑戦し、「できた!」となってからは、1人で黙々と編むようになりました。
あんなに嫌がっていたのに、学校から帰ってきてランドセルを置くと、真っ先に編み始めるほど。
「やりたい!やりたい!」と言うようにもなって、こちらがビビるほどでした。
もちろん、無事完成させて、お友達にプレゼントすることもできました。
もう、だめかもしれない、、、と思っていた頃が嘘のようで、その時から思うとあっけないほどあっという間に完成させてしまったことに正直拍子抜けしました。
そして、
「やる気なんて、やらないと出てこない」
という、いつか聞いた言葉に確信を深めた次第です。
小学校1年生の終わりに、とてもいい経験をさせてもらいました。
頑張ってくれてありがとう。
東京「日常をドラマチックにする」バッグ
Saori Mochizuki
デザイナー 望月沙織
ーー<4月のイベント、お待ちしております>ーー
<東京ハンドメイドマルシェ>
2023年4月8日(土)11-18時
*イベント自体は4/8-9の2日間開催されますが、Saori Mochizukiの出店は8日のみになりますのでご注意ください
東京ドーム・プリズムホール
東京都文京区後楽1-3-61
入場券等の詳細はこちらから