失ったものと向き合う
こんにちは、東京の水玉オリジナルバッグブランド「Saori Mochizuki(サオリモチヅキ)」のデザイナー望月沙織です。
昨日、とても反省したことがあります。
誰かを失った喪失感を、他の人やもので埋めようとするのは非常に邪道だし、もっと言うと、その喪失感は、自分できっちり噛み砕いて、飲み込んで、お腹いっぱいにして、消化して、ウンチとして出していくしかないんだということがわかりました。
我が家は昨年の11月、16年半一緒に暮らしたワンコのコルクを亡くしました。
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わたくしは9歳の頃から犬と暮らしていて、以降、人生の大半をワンコと一緒に歩んできていたので、コルクがいなくなって約半年、ワンコのモッフリとした手触りや、こちらを見る人懐こい目がとても恋しくなっていました。
そんな時、とあるゴハン屋さんに子犬が看板犬として登場した、という噂を聞きつけました。
ほぼ毎日のように在店していて、希望すれば誰でもゴハン後にナデクリできるとのことだったので、そのお店の近くに用事があった際、ランチをしにちょっと立ち寄ってみることにしました。もちろん、半年ぶりにワンコをもふもふできることを盛大に期待して…!
そして実際にたっぷり気の済むまで触らせてもらったんですが、なんというか、触れば触るほど、うまく言葉にできない虚しい感情が押し寄せてきて、泣きそうになってしまった自分にびっくりしました。
わたくしが触りたかったのは、犬じゃなくて、コルクなんだ。
目の前の、コルクとは違う毛触りのワンちゃんを撫でながら、気がつきました。
そう思ってからは、なんだか目の前の無邪気なワンコちゃんに申し訳ない気持ちにもなりました。
コルクがぼっこり開けていった穴は、コルクでしか埋められなんだ。
でもコルクはもういない。
その現実は、しっかり受け止めて自分でなんとかするしかないんです。
また一つコルクに教わりました。
ちなみにそのワンちゃんは非常に賢い子で、こっちの魂胆はお見通しだったようです。
触る前、じっとこちらを見て、遊んでくれそうとみるとじゃれついてきて、スカートに噛みつき、「引っ張りっこしようよ!」とけしかけてきたのですが、わたくしのテンションがどんどん下がっていくのを見るや否や、パタリと遊ぶのをやめ、ぷいっとこちらにお尻を向けて寝転んでしまったのです。
そうだよね、君は君であって、コルクの替えじゃないもんね。
元気にスクスク育ってくれることを祈ります。
なお、肝心のランチのお味は…あまり好みじゃなかったかな。。。
バッグ作りにしても、なんにしても、ここでは自分が心の底から気に入ったものだけをお伝えしたいと思ってやっているので、、、今回はお店の名前のご紹介は割愛します。
色々失礼いたしました。。。
東京「日常をドラマチックにする」バッグ
Saori Mochizuki
デザイナー 望月沙織