2015年の香港で感じた事のコタエあわせをしてみました

 

こんにちは、東京の水玉オリジナルバッグブランド「Saori Mochizuki(サオリモチヅキ)」のデザイナー望月沙織です。

 

今日は、2015年3月に初めて香港で一般のお客様へ向けてバッグを販売してみて感じたことをご紹介します。

 

下記は2015年4月、当時のブログ(別ドメイン)に公開した記事の再掲になります。この記事を今自分で読んでみて改めて考えた事については、再掲後の末尾に載せますので、あわせてご覧いただけたらと思います。

 

–<以下、2015年4月2日の記事の再掲(一部修正含む)です>–

 

ファッションのリンスインシャンプー化についての考察

 

わたくしは先週香港でポップアップショップを開催してきました。

 

香港のお取引先のお店、小時光(Xiaoshiguang)さんの2周年記念イベントの会場の一角にスペースをいただいたのです。

 

2月に営業に行った時に「3月にこんなイベントがあるけど、来る??」と言われ、わたくしもあんまり深いことを考えずに「行く行く!」と言ってしまったもんだから、一体どんなことになるのか全然予想がつかなかったのですが、行く前に送った商品の売れ行きが好調だったので、ワクワクしながら伺いました。

 

会場は香港の、いってみれば郊外のような場所でしょうか。

 

東京の町田出身で、八王子にある学校に通っていたわたくしから言わせれば、

 

「こんなのはずれのうちに入らん!」

 

という距離でしたが(笑。地下鉄とタクシーで、中心地から40〜50分くらいでしょうか)、ネイティヴの人に言わせると、ものすごくへんぴな所だそうで、でも最近ではおしゃれとされているインダストリアルエリアの工業団地のような建物の中にあるスタイリッシュなカフェで開催されました。

 

会場には、次から次へとファッショナブルな人が現れ圧倒されました。

 

なんて言うんでしょうか、50年代の古い映画の女優さんみたいに、クラシックで、でもちょっと華やかで、非日常的な感じのファッションがとても美しいのです。そして誰もがとても個性的でその人らしい雰囲気をまとっているのです。

 

(話しは少々飛びますが)

先日、日本でドレスショップを経営している仲の良い知人と話しをした時に、

 

「お客さんにはよく、

 

『普段にも仕事にもパーティにも使えて、派手すぎず地味すぎず、着回しのきくドレスはないか』

 

って言われるんだけど、そんな都合のいいものはない!

 

でも仕方がないのよ、今の日本人はお金持ってないから」

 

と言われて、そうかぁ、、、日本は今、ファッションにおいて

 

「(お金をかけない)着まわし」

 

が重要なのか、、、と改めて思い、ふと自分を振り返ってみると、なんとなくそんな感じのお洋服になってしまっていることに気がついて、少々悲しくなってしまいました。

 

忙しい日常を過ごしていると、オンとオフの境目がわからなくなるし、境目をつけずにどちらかに突入せざるを得なかったりします。

 

そうすると、どうしたってどっちにも通用する、もしくは切り替えが簡単にできることが最重要ポイントになってきて、我がブランドのコサージュが取り外せるバッグなんかはまさにその最たるものだと思うんですが、今の香港だとそれは少々中途半端になってしまう雰囲気もあり、改めてファッションについて考えさせられました。

 

もしかしたら、きっちりと線を引き、華美に着飾る時と、猛烈に仕事をする時と、区別して考えた方が、アイテム的にもよりそれぞれに「機能的」なのかもしれません(例えて言うなら、リンスインシャンプーよりも、ちゃんと別々のものを使った方が、手間だけど結果的には髪には良い、みたいな感じ、でしょうか)。

 

とはいえ、オンとオフ、きっちり線を引くのが難しいというのも(今の自分がそうだから)よくわかります。

 

だけと香港のお客さんをみて、ちゃんとおしゃれをする、っていうのはいいことだなぁと感じてしまったわたくしもいます。

 

という訳で、改めて、バッグを通してどういう生き方を提案できるのか、考えさせられた今回の香港の旅でした。

 

さて、これを受けて、うちのブランドはどう発展していくのでしょうか。

 

またしばしあれこれ悩むと思います。ぽこん、と何か、うみだせるといいのですが。

 

どうぞ今後のSaori Mochizukiにご期待くださいませ(と、自分で自分にプレッシャーをかけてみた)。

 

–<再掲ここまで>–

 

【あとがき:6年後の2021年に思うこと】

 

ぽこん、とは生み出せませんでしたが、6年かけてなんとなくこうなんじゃないか、という方向性は見えてきました。

 

それはやっぱり、「リンスインシャンプー」ではなくて、リンスはリンス、シャンプーはシャンプーとして作りたい、ということです。

 

工業用ミシンと革すき機を導入したというのも、それに対するコタエだったような気がします。

 

より専門的なことができる道具を用いて、よりシャンプーらしいもの・リンスらしいものを作ろうとしているのが今のわたくしです(リンスとシャンプーは、あくまでも比喩です。わたくしが作りたいものはバッグです…念のため!笑)。

 

とはいえ、雨にずぶ濡れになって息子を保育園へ送って行った後に、取引先と打ち合わせをしなければならない、、、なんてことはまだまだ日常茶飯事で、では一体そういう日は、どんなファッションをしていけばいいんだよ、と頭を悩ませる自分がいるのも事実です。

 

でも最近は、そういう時は、一旦事務所で着替えてリセットするなどの戦法(戦法?)をとる事にしました。

 

以前は予定をぎゅうぎゅうに詰め込んで、そんなことをする余裕すらないような感じで動き回っていました。

 

そうなると、当然リンスインシャンプー的ファッション&バッグが必要になります。

 

しかし今は、多少時間がかかったとしても、そこにはメリハリをつけるようにしました。

 

その分、できる「量」は少なくなるかもしれませんが、それぞれの「質」は上げていく事ができるのではないかと思うのです。

 

という訳で、今は、そういった方向へ進んで行こうとしている今日この頃です。

 

東京「日常をドラマチックにする」バッグ

Saori Mochizuki

デザイナー 望月沙織

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