廃番との闘い
こんにちは、東京の水玉オリジナルバッグブランド「Saori Mochizuki(サオリモチヅキ)」のデザイナー望月沙織です。
わたくしはよく、気に入って使っていた材料が廃番の憂き目にあい、途方に暮れる…ということがあります。
最初の頃は、廃番にぶつかるたびに、なぜなんだろう、、、と自分のセンスを呪って落ち込んだりしていましたが、今となっては、そりゃそうだよな、とわかりますし、自分のセンスを卑下することも無くなりました。
例えば、
白・黒・グレー
といった、汎用性の高い色は、無難で使い勝手が良いので、よく売れると思いますが、
わたくしが好む色味(例えば冒頭の写真のような蛍光ピンクや蛍光イエロー)は、決して万民受けするものではないので、店頭の棚で眠っている時間も長くなってしまうことでしょう。
そうなると、棚落ちもやむなし、、、って感じです。
ただここで、「間違っちゃいかん!」と思うのが、
廃番=悪い商品、ではない
ということです。
民主主義や資本主義経済に慣れきってしまっていると、「多数派の意見は良いものだ」「よく売れる商品は良いものだ」と思いがちですが、それは「良い」意見・商品なのではなくて、たまたま好む人が多かったもの・効率を考えた時に無難だった選択肢、というだけのことです。
もちろん売れてなんぼ、ということでもあるので、売れる商品が是とされるというのは理解できます。
でも、多くの人に好まれる色が「良い色」で、廃番になりがちな色が「悪い色」なんてことは決してないのです。
この部分の勘違いは、例えば性的マイノリティや民族マイノリティが、多数派に差別されたり迫害されてしまう原因とも繋がっていると思います。
なのでわたくしは、今日も張り切って廃番の壁をかいくぐっていきたいと思っております。
あー、どこに売ってるんだ、わたくしの好きな色!
東京「日常をドラマチックにする」バッグ
Saori Mochizuki
デザイナー 望月沙織