バッグの制作風景・アイロンがけ編
こんにちは、東京の水玉オリジナルバッグブランド「Saori Mochizuki(サオリモチヅキ)」のデザイナー望月沙織です。
頭の切り替えが難しくもありますが、イベントが無事終わり、また一人黙々と制作の日々に戻りました。
渋谷ヒカリエのイベントはご来場どうもありがとうございました。
気持ちの切り替えが難しい時は、考えなくても反射的にできる単純作業のようなものをやって、少しずつ頭を次の舞台に持っていくようにしております。
アイロンがけはその筆頭作業です。
バッグ作りは裁断の良し悪しで出来が99%決まってしまうようなところがあるので、布に関しては本裁断の前にアイロンできっちりシワをのばしたり、糸目を整えておく必要があります。
そしてアイロンがけにはもう一つ、重要な役割があります。
それは、生地にハリを持たせるお仕事です。
これは中村先生のところで教えていただいて以来、なるほど、と思ってやるようになった裏技(?)なんですが、衣類に糊付けできるキーピングを使うと綿ブロードのようなあまりコシのない生地でもパリッとした質感を持たせることができるようになるのです。
この方法を知るまでは、薄い生地にハリを持たせたい時は、裏面に薄めの芯材を貼り付けたりしていたのですが、そうすると生地に厚みが出てしまったりゴワゴワしてしまったりするので、繊細な部分には使えないな、、、なんて頭を悩ませたりしておりました。
でもキーピングだと、厚みは全く変わらないのにハリが出て一気に縫いやすくなります。今の所、色落ちやそれ以外の作業(ゴム糊付けなど)にも支障が出たことは1度もないのでとても重宝しております。
こういう方法って、本当にちょっとしたことなんですが、気付くのと気付かないのとでは大きな違いがあります。
わたくしは問題が起こった時に、ある一定の試行錯誤で解決しないとだんだん頭を使うことが面倒臭くなってきて追求するをやめてしまって、最終的には根性や体力に頼ろうとするクセがあるので、生産性を高めていくためにはもう少し落ち着いて冷静に、「楽」できる方法を模索しないとな…なんてことを思いつつ、ありがたく裏技を享受させてもらっております。
ちなみにアイロン台には
家庭用のバキューム式アイロン台を使っております。
その名の通り、バキュームで空気やスチームをかけた時の蒸気を吸い込んで、台の下にあいた穴から逃してくれるので、普通のアイロン台を使うよりも、スチームアイロンが短時間で仕上げられます。
アイロン台として考えると若干高価なものになりますが、バキューム機能があるのとないのとでは作業効率が大きく変わるので、もし日常的にお洋服にスチームアイロンをかける習慣のある方だったら、購入を強くオススメしたいアイテムになります。
という訳で、キーピングとバキュームをぼんやり使いながら、次のフェーズに向かいたいと思います。がんばるぞう…。
東京「日常をドラマチックにする」バッグ
Saori Mochizuki
デザイナー 望月沙織