好きすぎて見えなくなるもの
こんにちは、東京の水玉オリジナルバッグブランド「Saori Mochizuki(サオリモチヅキ)」のデザイナー望月沙織です。
先日カフェでぼーっとしていた時のことです(少しだけ設定を実際に見聞きしたものから架空のものに置きかえています)。
隣の席に3〜4人の男性たちがワサワサとやってきて、何やら打ち合わせを始めました。
耳をそばだてた訳ではないのですが、距離が近かったこともあり、会話が耳に入ってきます。
どうやら、新しくサウナグッズ?のブランドを立ち上げたので、それをどうやって売り出していくか、という話しのようでした。
「◯×グループのサウナはテイストが合わないからむしろ置いてもらわない方がいい」
「インフルエンサーの△◻︎さんはフォロワーが※万人だから〜」
などなど…
サウナに全く興味のないわたくしからしてみると、暗号のような会話が続いておりました。
ただ聞きながら、
今、サウナ??という疑問が湧きました。
サウナに詳しくないわたくしでも知っているくらい、日本でサウナがブームになってだいぶと時間が経っています。
その波に乗ってサウナを愉んで行く中で、納得のいくアイテムが見つからなかったから自分で作ろうと思った、のかもしれません。
とはいえ、ちょっと遅くない?というのがわたくしの正直な感想でした。
このブームが一体いつまで続くつもりで話しているのだろう、ということがとても気になりましたし、もし一過性のものではなく、日本に文化としてしっかり定着するはずだ、と信じているのであれば、もうちょっと普遍的な方向の(=サウナに全く興味のないわたくしみたいな人間でも食指が動くような)ブランディングをしていかないといけないのでは??と思いました。
というか、そもそもこれがブームなのか、そうじゃないのか、を俯瞰で冷静に見極めているのかなーということが気になりました。
ブームで終わると思っているのであれば、その期間を見極めて、その中で花火を打ち上げるような施策が必要になるでしょうし、
ブームで終わりそうだけど、そうはさせたくないのであれば、己がサウナ文化を日本の中に練り混んで行くんだ、くらいの気概で向き合っていかないと難しいと思います。
ただその時に、サウナ好き、という自分の特性は非常に邪魔になるだろうな、と感じました。
モノ作って売る時には、しつこいくらい「誰がターゲットなのかを考えろ」「ブランドの個性を絞れ」的なことを言われます。
でも時に、そのジャンルにどっぷり浸かっているがために、見えなくなっちゃうものもたくさんあるんですよね。ブームの見極めしかり。
強みは時に弱みにもなる。。。。
サウナ愛が極まっている彼らの様子を目の当たりにして、これを今、自分がやっていることに置き換えて考えてみたら、どうなんだろう、、、とぐるぐる考えてしまいました。
同じモノ作りをする人間として、彼らの成功を祈らずにはいられませんでした。
東京「日常をドラマチックにする」バッグ
Saori Mochizuki
デザイナー 望月沙織