バッグを貼る
こんにちは、東京の水玉オリジナルバッグブランド「Saori Mochizuki(サオリモチヅキ)」のデザイナー望月沙織です。
今日もかたっぱしからバッグを貼っています。縫う、じゃなくて、貼る。
バッグ作りは裁断が重要なんて話しを先日しましたが、
改めて工程を振り返ってみると、意外と縫っている時間て短いかも、と気付きました。
ものによっては、全体の10%くらいしか縫っている時間がないバッグもあります。
じゃあ残りの9割は何してるの?というと、ゴムのりと格闘しています。
ゴムのりとは、速乾性の高い比較的扱いやすい(塗りやすい)のりのことなんですが、これを生地や芯材にヘラで塗りまくっている時間が圧倒的に長いのです。
材料としてみると、薄く塗れるし、値段もそんなに高いものではないのでとても便利なんですが、(冒頭の写真にある通り)いわゆる石油系の独特の匂いを放つ結構危険なアイテムです。
でも慣れてしまうと匂いも気にならなくなるので、あまり意識せず使っていました。
外気の影響をもろに受ける古民家だった中目黒の事務所時代は、夏のある朝、出勤してみると、暑さでゴムのりの缶の蓋が吹っ飛び、部屋中にゴムのりの匂いが充満していたこともありました。
先日、そんなこんなを笑い話として中村先生のところで話していたら、
「バッグの職人さんの家が火事を出して隣近所の家も焼いちゃったことがあって。原因はゴムのりとか、引火性の高い材料のせいだったらしいから、それ、あんまり笑い事じゃないかも、、、」
と言われて、血の気が引きました。。。
以来、ゴムのりを使うときは換気必須、保管時の缶の蓋にはオモリを乗せて、
蓋が吹っ飛ぶのを防止、と、かなり慎重に扱うようになりました。
ちなみにゴムのりの引火性のある成分は、時間が経つにつれ揮発してしまい、バッグ本体には全く残りませんのでご安心くださいませ。
という訳で、今日も慎重にヌリヌリヌリヌリ…繰り返しております。
東京「日常をドラマチックにする」バッグ
Saori Mochizuki
デザイナー 望月沙織