オリジナル革を作ろうと思ったそもそもの理由について
こんにちは、東京の水玉オリジナルバッグブランド「Saori Mochizuki(サオリモチヅキ)」のデザイナー望月沙織です。
今日は先日に引き続き、そもそもなぜオリジナルの革を作ったのか、ということについて、わたくしの過去などもさかのぼってお話しします。
(オリジナル革が生まれた背景・前編はこちらから)
根本的なことでいうと、なんだかんだ言っても当時のわたくしは、自分で革が扱えないということにものすごくコンプレックスがあったんだと思います。
もともとバッグ作りはおろか、ミシンを使う職業とはなんのゆかりもない学校を卒業し、映像の制作会社&紆余曲折を経て、単に「好きなことは諦めたくない」という気持ちのみで独立。子供の頃からお裁縫は好きだったとはいえ、縫製技術は完全に独学でスタートしています。
いろいろやっていくうちに行き詰まりを感じて、「これじゃいかん」と、東京で少しバッグ学校に通った時期もあります。
そこで家庭用ミシンよりパワーのある職業用ミシンの存在を知り、やれることの幅は広がりました。
とはいえブランドを立ち上げた2012年当時は、技術的にも設備的にも、本格的に革が扱える環境にはありませんでした。
それでもその時できること・知恵を全力で振り絞って作り上げたブランドの軸が、
耐久性があって大容量なのにめっちゃ軽いてんてんしましま柄(水玉・ボーダー・ストライプ)の可愛い布バッグ
でして、
具体的に言いますと、一般的には革バッグなどに使われるスライサーという芯材を、薄い布生地の裏全面に張り込むことで、革に近い強度を出しつつ、見た目に色鮮やかなバッグを作る、
結果的にこれはとても好評でした。
業界的にも斬新な仕立て方だったようで、当時はいろんなバイヤーさんから、「このアプローチの仕方は、言われてみれば盲点だった」的なことを異口同音に言われたりしました。
これは、わたくしがバッグ業界を経験せず、いい意味でも悪い意味でも業界の「当たり前」に馴染んでこなかったことが功を奏した結果でもあるので、畑違いのところから飛び込んでよかった部分でもあります。
量産をお願いした縫製工場さんからも、
「こういうことは今までやったことがない」
というのを散々言われ、あれこれ発注をかけるのに大変な目にあったりもしました。
そんな経験の中から生まれてきて、お客さまにも喜んでいただけたスタイルなので、ブランドの軸となっているこの布バッグのコンセプトは、今でも大切に作り続けています。
ただ。。。
心の中のどこかに、
「革を扱ってみたいな…」
という思いは常にくすぶっていました。
そういう状態にあると、外野から飛び込んでくる野次の、「革」という部分は、
「革」
と、太く大きくなってわたくしの気持ちの中に入り込んできます。
なんだかんだ言っても結局はその部分が大きかったんだと思います。
その気持ちが火種になって、オリジナル革&バッグ制作に突入していくのでありました。
・・・いろいろ書きながら思い出しているので、はからずも前置きが長くなってしまいました、、、。
次こそは、革の知識がほとんどないのにオリジナル革のバッグを作れた背景についてお話しできるかな、、、と思います。
東京「日常をドラマチックにする」バッグ
Saori Mochizuki
デザイナー 望月沙織